日本の鉄道の歴史は幕末の終わりから始まっています。初めて鉄道ができたのは、明治5年の1872年です。当時の日本には、自力で鉄道を作る技術が全くありませんでしたので、イギリスの技術を導入してそれを利用しました。イギリスの鉄道技術を用いたのは、日本の山岳地帯が特殊だったからです。険しい地形が多く、狭軌を利用しないと上手く運行することが出来なかったので、イギリスで同様に運用されていたこのタイプの方式を採用しました。
そのため、日本の現在の経路は狭軌となっているわけです。その後に、鉄道の規格などを統一して高速の列車を作るように改良していき、本格的な現在の形のような電車ができたのは戦後になってからです。戦前は、戦争の影響もあって財政難から満足のいく電車を作ることができませんでした。
特に、戦後1960年代になると高速電車の代表的な新幹線が完成し、世界に先駆けて先進的で高速な電車を誕生させることに成功しました。これは、1970年に大阪で開かれる予定だった大阪万博に合わせた技術開発の一環でもありました。1970年代に入ると、新幹線の数も多くなり全国的に普及し、現在でも続くリニアモーターカーの案なども登場します。
電車と日本の鉄道
日本には鉄道ファンを魅了する電車も数多く走っています。都会でその傾向は顕著に見ることが出来、例えば関西では、関西空港行きの特急列車一つをとっても、JRの関空特急「はるか」と、南海電鉄の「ラピート」が激しい乗客の奪い合いをしています。どちらの車両も乗り心地などは抜群によく、利用する側にとっては気分によって2つの路線を使い分けることが出来るといったメリットもあってありがたいのです。
また、有料特急だけが魅力的な車両というわけではありません。滋賀県にある叡山電鉄では、「きらら」という車両を走らせています。この車両は椅子の向きが窓側を向いていて、沿線にあるもみじのトンネルを通過した際に絶景が見やすくなる配慮がされています。
また、大阪から観光名所である京都に向けて走っている鉄道会社が阪急と京阪ですが、阪急は「京とれいん」という観光列車を祝日ダイヤに組み込んでいます。この列車は非常に豪華な内装になっており、終着の河原町まで乗っても時間は40分程度ですが、十分に京都観光に向かう気分を盛り上げることが出来ます。また、京阪電車は2017年8月から「プレミアムカー」という豪華車両を8000系特急に用意して話題を集めています。
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オリンピックと日本の鉄道
1964年に開催される東京オリンピックに間に合わせるために、日本の鉄道では東海道新幹線を整備することになりました。1959年に着工してから、1964年には開業しているのですから、驚異的なスピードで成し遂げたことになります。新丹那トンネルや富士川橋梁をはじめとして、長大な区間の盛土を作り上げるために、国家規模で突貫工事が行われました。
東京オリンピックの開催中には、東海道新幹線の0系電車が疾走することになり、テレビを通じて全国に紹介されました。突貫工事であっても設備は堅牢で、現在でも強固な状態で維持されています。戦後復興の象徴として、鉄道の地位を向上させたのですから、その功績は計り知れないものです。
1998年には冬季オリンピックが長野で開かれることになり、日本の鉄道では再び大きな転換期を迎えました。大会に間に合わせるために、1997年には北陸新幹線が長野までの区間で開業したことで、明治時代からの歴史がある碓氷線の区間が廃止されています。このときには軽井沢駅や横川駅には多数の鉄道ファンが集まり、特急あさま号の最後の勇姿を記憶に刻んでいました。大会の期間中には世界中から来客が訪れ、善光寺などの名所とともに注目が集まりました。